大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
6.大工さんと現場監督
目が覚めた私は、思わず自分の頬をつねってみた。

「イタッ」

…夢じゃない。昨日、博さんとしたキスは、夢なんかじゃない。

大好きな人とのキスは、夢のようで、ずっとずっとキスをしていたい。

そんな気持ちになっていた。

今日からまた仕事で、今週は、博さんの現場のあるエリアだ。


いつも以上に、丁寧に化粧を施し、髪型も整え、

返してもらったお弁当箱に、また新たなおかずたちを詰めていった。

「博さんって、卵焼きが好きなんだよね」

昨日、そんな事を言われたことを思いだし、しっかり卵焼きは入れた。

・・・やっぱり、若い子、じゃなくて、祐司君の分のお弁当もつめて、

いざ仕事へ。


お昼までに、先に行かなきゃならないお客様の所へ向かった。

いつものように、お礼を言われ、晴れやかな気持ちのまま、現場へと足を進めた。


カンカンカン、トントントン・・・。

仕事をする音が聞こえていた。


「博さん」

私は二階にいるであろう博さんに声をかけた。

「…羽菜?どうしたんだよ?」

「フフ」

今日もお弁当を持ってくるとは、一言も言ってなかったので、

博さんは驚いていた。
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