大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

博之side

「今日は、本当に助かりましたよ、博さん」

大工仲間の友人の言葉に笑顔で首を振る。


「オレなんかで良ければ、いつでも連絡してください。

手が離せないとき以外は、駆けつけますから」


「そう言ってくれるとありがたいよ。

今日中に上棟済ませとかないと、明日の朝一番で上棟式が出来なかったから」


2人でそんな事を言い合っていると、現場に戻っていた祐司が、

頼んでいた道具を持って帰って来た。


「博さん、これでよかったですか?」

「あぁ、それでいい。これ、しばらくは使わないから、使ってください。

終わったら返してくれたらいいですから」


「ありがとう、何から、何まで」

大工と言う仕事は、すべてが一人でできるわけじゃない。

何かと助け合いながらやっていくからすべてが円滑に回るし、

助ければ、いざと言う時には助けてもらえる。


たった一軒の家でも、たくさんの人の手によって作られるから、

素晴らしい家が出来あがる。


だからオレは、この道を選んだ。


・・・応援を終え、自分の現場に帰る途中、

祐司がバツの悪そうな顔で、ボソッと呟いた。
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