俺様社長の言いなりです
第一章 最悪な出会い







第一章/最悪な出会い



『お見合い』


それはわたしが最近嫌いなワード。


物心ついた時からかなりの人見知りで、初対面の人と話すのは少し気がひける。


そんなわたしにお見合いというものが全く向いていないのはわかりきったことなのに。


毎月のようにお見合い話を持ってくる父が何を考えて(というより企んで)いるのか、知る由もない。


恋人でもできればお見合いしなくても良いのだろうけれど、二年前に彼氏と別れてからはできる気配もない。


仕方ないか、と諦めのため息を吐くと、携帯の着メロが流れた。


急いで場所を移動し、電話をとると


「18時に例のホテルのロビーですよね?なるべく早く仕事を終わらせるようにしますから」


やはり父からの確認の連絡だった。


__お見合いすっぽかすわけないのに……。


今までしたこともなかった確認の電話がきたことに、少し胸騒ぎがした。

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