ラヴコリーダ
当然今年入社したばかりのわたしも、部長の付き人の対象だ。

担当は木曜日。

「はい、今行きます」

わたしは今やっていた仕事を終わらせると、足元のカバンを手に持った。

忘れ物がないかチェックした後、
「お待たせしましたー」

すでにドアのところにいた部長に歩み寄った。

「じゃ、行きましょう」

「はい」

部長と一緒にオフィスを後にした。


営業も無事に終わり、2人で会社に向かっていた。

チラリと、わたしは隣を歩いている部長に視線を向けた。

俳優のように端正な横顔がそこにあった。

でも…やっぱり、愛想がないなあ。
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