あなたが作るおいしいごはん【完】
【プロローグ】


私の婚約者はカリスマ料理研究家。

いつも私に優しくて

おいしいご飯を作ってくれる。

あなたの料理に対する愛情も

あなたの料理を作る仕草も

素材を扱う繊細な手と指も

何もかもが大好き。

でもあなたは本当は

私の事を好きじゃないんだよね?

これは政略結婚だから

あなたは仕方なく

『好き』だと言ってくれるんだよね?

仕方なく私に

優しくしてくれるんだよね?

仕方なく私においしいご飯を

食べさせてくれるんだよね?

だけど今の私は

あなたが好きだから

それでもいいと思ってる。

だから、どうかお願いです。

一緒にいてくれる限り

私だけにおいしいご飯を

これからも作って欲しいです。

そしていつか

私を丸ごと愛して欲しいです。
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