コイツ、俺の嫁候補。
。:*°俺だけを見てろ


──文化祭当日。

朝から校内は慌ただしく、一般公開が始まると本当にお祭り騒ぎ。

クラスTシャツや様々な衣装に身を包んだ生徒達が、呼び込みをしたり店番をしたりで、かなり賑やかだ。



「いらっしゃいませー!」

「ポップコーンいかがですか~?」



レースのフリフリエプロン(カレンさん指定)を付けたあたしも、バイトの時以上に声を張り上げる。

なかなか売り上げは好調。



「あ、そろそろなくなりそうだから作った方がいいかもしれませんね」

「あら本当。ほら、あんた達行ってきなさい」

「えぇ~また俺らっすか~!?」

「あら嫌なの? じゃあこのエプロン付けて客寄せしてもらおうかしら」

「よ、喜んで行かせていただきまーす」



そろそろと調理室へ向かう陸と海に、カレンさんは満足げな笑みを浮かべる。

向こうで作って、出来上がったらここで売るという仕組みだ。

カレンさんには逆らえない二人に、ざまーみろと悪態をついていると、テントの外で客寄せしている藤丸先輩の声が聞こえてくる。

< 116 / 314 >

この作品をシェア

pagetop