花火祭りの後も相変わらず電話では澤野さんと日を置かずに話していた。



《琴音ちゃん今週中のどこかでアンジュに来れないかな?
会社帰りで構わないから》


《でも……》


ずっとアンジュに行く事を避けていた私は返事に困った。



《嫌かな?
琴音ちゃんに会いたがっている人がいてね。どうかな?》


会いたい……人?
真下さんなんて事は絶対ありえないし。


誰だろう。


《橘様に琴音ちゃんが会いたがっていたって言ったら会わせろってしつこくて……。

そろそろ、アンジュを避けてる訳を話してくれないかな?》

《前にも言ったけど避けてなんかないですよ》


《嘘は止めようか。
アンジュで俺か透が何かしちゃったのかな?》


《違いますっ。
何にもされてないです……。
ただ部外者の私が澤野さんに時間外にランチを作らせてしまったり図々しくてごめんなさい》


《えっ……。
俺が誘ったんだよ。琴音ちゃんが気にする事じゃない》


《でもっ、私がお店に顔を出したら迷惑だから行けません》