無名
序章
タイトルってさ、重要だよね。
人の心を惹き付ける不思議な力を持っている。
でもそれは所詮フィクション、作られた物語の題でしかない。
現実ではタイトルなんてつけなくて良い。
ん?この物語のタイトル?
もちろんタイトルなんて無いさ。
強いて言うなら「無名」かな。
え?じゃあ僕は誰かって?
さぁ?誰だろうね?
ただの人間かもしれないし、この世の者じゃ無いかもしれない。
今度は僕が質問していいかな?
君はナニ?
人間、そうか…
ねぇ、どうしてそう思えるの?
ほら、根拠なんて無いんでしょ?
所詮自分の思い込み、他人の思い込み。
もしかしたら君はこの世の者じゃ無いナニかかもしれない。
そう、人間の皮を被ったナニか…。

フフッ
冗談だよ。
君があまりにも真剣に僕の話を聞くから少しイタズラしてみただけさ。
おや?もう夕日が沈んじゃったね。
雨も降ってきた。
あ、そうだ。
僕の家すぐ近くなんだ、雨がやむまで僕の家で色々なお話でもしようよ。
え?良い?良かった。
それじゃあ行こうか。














































































『ニュース速報です。今朝**市の廃墟から女子高生の死体と思われるものが発見されました。遺体はバラバラになっており身元はいまだ不明。警察は近所の人に聞き込みをして犯人の特定を急いでいます。』
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