HONEY TRAP（１）~上司は身勝手な婚約者~

《２》 部長の下僕

～優奈side～

「ここが貴方のデスクよ…羽瀬さん」




「あ、はい」



私のデスクは宇陀先輩の隣。
私の仕事は宇陀先輩の仕事の補佐業務。

我が社『オウミ建設』は元は林業会社で、製品（木材）を売る為に住宅産業に進出した。現在はハウスメーカーとして名を馳せているが、マンションや大中小の商業施設の建築と…ゼネコン的な仕事にも携わっている。


我がインテリア室はゼネコン寄りの物件の内装をてがけていた。


宇陀先輩の仕事は、基本的には担当者の指示を貰いながらこなす。パース作成、カラースキムボード作成、什器や資材の選定と言った所かな。


ホテルやオフィス、商業施設、様々な物件を担当している。



営業はパーティションで仕切られた営業部が担当。営業が契約してきた案件をこなすだけ。






デスクの内線電話が響く。




「出て…羽瀬さん」




「はい…」




ディスプレイに表示されている文字は佐野部長の名前。




「こちら…設計部インテリア室・羽瀬です」




―――――電話越しの声は可愛いなぁ～羽瀬さん



私好みの声だけど。耳障りな声になりつつある佐野部長の声。



「コーヒー一つ頼む」