解けない恋の魔法
運命の出逢い
***

 約束していた翌日。
 私は朝一番で袴田部長のデスクへ行き、ブライダルドレスのデザインが出来たことを報告した。
 最上梨子の代理として宮田さんがデザイン画を持ってくる件も話し、部長のスケジュールを確認する。

「それにしても、突然出来るもんかなぁ」

「え?」

「いやだって、全然進んでないみたいなこと言ってただろ?」

 そうやって、少し不思議そうにする部長に、私は満面の笑みでこう口にした。

「最上梨子は天才なんですよ」


 宮田さんに伝えた時間は十四時。
 その少し前に私は一階に降りて宮田さんの到着を待った。
 しばらくすると、黒のスーツに身を包んだ宮田さんが現れて私に合図を送る。


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