秘めた恋

甘くほろ苦い過去



昼休み中、彼の隣で本を読んでいると突然、「美優」と声をかけられた。

「え?」

その方に視線を向けるとさっきまで寝ていた彼が
申し訳なさそうな声で「俺、寝てた?」と聞いてきた。

「う、うん。」

私はさっきのキスを思い出して、恥ずかしくなり本に視線を戻した。

「美優」

そうまた呼ばれ、彼の方を向くと

「好きだよ。」

と笑顔で言われた。

私はそのセリフでブワッと顔を赤くした。

「美優は?」

甘えるような目で彼が見つめてくるので思わず

「わ、私もだよ。」と視線を逸らしながらどぎまぎ応えた。

彼は私の腕を掴み、引っ張ると

「本ばっか読むなよ。」と私を引き寄せた。

「古橋君!!」

彼は自分の太ももの上に私を乗せると後ろから抱きしめた。

「いい加減、名前で呼べよ。」

彼の囁きが首筋を掠め、ドキッとした。

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