恋は盲目〜好きって言ってよ

拓海サイド


玄関を開けると真っ暗な部屋。

もしかしたら、奈々が待っていてくれる

かもと期待していたのに…

「はぁ〜」

とため息が出る。


奈々の声が聞きたくて電話をするが出な

い。


お風呂か?

仕方なく、メールを送る。

(なんで、鍵渡したのに部屋に来ないの

⁇連絡待ってる)


直球すぎるか⁈


いや、ここまで言わないと彼女は鍵をも

らった意味をわからないだろう。


彼女の不安を取り除きたいから送信ボタ

ンを押し、テーブルに置くとシャワーを

浴びに浴室へ向かう。


あれから一時間近く経つが連絡がない。


もう、寝てしまったのかもしれないと

遅い晩酌をしていると、しばらくしてと

メールが返ってきた。


(ごめんなさい。今日は疲れて帰ってその

まま寝てしまっていたみたいで、今、気

がつきました。部屋にお邪魔する時は、

連絡しますね。おやすみなさい)


彼女は、俺が鍵を渡した意味をわかって

いないのか?


すぐに返信する。


(今、起きてるんだよね。奈々ちゃんの声

が聞きたい。電話して)


かかってきた電話。


毎日でも一緒にいたいから渡したのに、

会話の中で彼女はきっとわかってないん

だろうと理解した。


******************

約束の金曜日


今日はいつも真っ暗な部屋に、奈々が待

っていてくれると考えると笑みがこぼれ

てしまう。


気を引き締め仕事に取りかかれば、仕事

もはかどり少し休憩しようと喫煙ルーム

で飯島と鉢合わせる。


「お前、なんかいいことでもあるの?」


お前は、エスパーか⁈


「無表情だったお前がそんな顔するぐら

いだから、奈々ちゃん絡みか」


どんな顔だよ。


お前に言われたくない。


「そう言うお前こそ、…早希だっけ⁈そ

の子とどうなんだ?」


ゴホッ…

咽せる飯島。


自分に振られと思ってなかったのか慌て

ている。


そこへ、彼女からキャンセルのメールが

来た。


なんだって⁈


部屋に帰った時の奈々の笑顔を見て抱き

しめたかったのに、早希って女に邪魔を

させない。


「おい、飯島。今日飲みに行くぞ」


「えっ、俺、デートなんだけど。何か見

返りあるのか?」


こいつはいつも見返りを求める。


「チッ」


「早希って子と奈々が今日飲みに行くら

しい。合流しないかって連絡きたんだが

俺は、早々に奈々連れて帰るつもりだ。

そうすると酔っ払いのその子は1人きり

だな…。『俺も行く』」


続けようとする言葉を遮り、飯島が食い

つく。


やっぱり…こいつは早希って女が気にな

るのか(笑)


飯島も合流する事は内緒で仕事を終えた

俺らは待ち合わせの店【コンフォルト】

の扉を開け奈々達を見つけ近づく。

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