うつくしいもの

「どうだっていいんだよ!
そんな事」


そうやって、私の手は振り払われてしまう



その力は強くて、痛くて




涼雅は背を向け、

階段を下りようとしている




助けて欲しい


優雅を――




「――待って」



去って行こうとするその背に手を伸ばして、

追いかける




だけど、届かない――…






「危ないっ」


そう怒鳴るような声が消えたと同時に、

私の体は強く押されて
床に突き飛ばされる




痛い――



そう思い目を開けると
涼雅の姿は無くて、


不安になる




床を這えずって階下を覗くと、

そこには涼雅の姿があった



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