あの頃の君へ〜eternal love〜
『蓮!乗って!』



日も暮れ始めた夕方。



駅前で待ち合わせていた成美さんが
車の運転席から顔を出した。



『お迎えありがとう。』



『いいのよ、ほら早く乗って。』



『はーい。失礼します。』



誰もが知る憧れの高級車。



パールホワイトの大型セダン。



これも最近購入した物だろうか?



その助手席の乗り心地の良さは



まるで一流ホテルでもてなされている
かのような優越感だった。



『今日であなたとも最後の同伴ね。』



『ああ。』



黒いサングラスの内側から
少しだけ寂しそうな表情が覗いた。



細身のスーツがよく似合う大人の女性だ。



『相変わらず色気たっぷりだな?
いや、出会った中で今日が一番だ。』



『何言ってるのよ。』



『私、もう来月で41よ…?』



『悲しいけど…』



『もう立派なオバサンよ。』
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