恋のはじまりは曖昧で

ここは建設資材を現場に配送する手配をしている部署になる。

請求書を出す前に、袋で販売しているセメントやその他建材の出荷状況を締日ごとに聞いている。

得意先ごとに集計して表にした後、請求処理をする。
これはまだ慣れていないので何気に時間がかかる。

「請求書を発送する関係で出荷状況を知りたいのでファックスで送ってもらえますか?」

「分かりました。出来次第送りますね」

「よろしくお願いします」

受話器を置いて電話を切った。

取りあえずは、ファックス待ちだ。
多分、届くのは昼過ぎるだろうな。

待っている間に、営業の人から渡された伝票を元に請求書の作成をしよう。
その前に昼ご飯を食べようと社員食堂に向かった。

昼ご飯を食べ終え、社食から戻ってきてすぐファックスを見に行った。
だけどお目当ての物はまだ届いていなくて、予定通り営業の人の伝票から先にすることにした。

黙々とパソコン入力していきつつ、電話対応をして息つく暇もない。
営業のフロアが忙しない雰囲気に包まれていると、片岡さんの携帯に着信があり、子供が熱を出したので迎えに来てという連絡があったみたいだ。

「高瀬さん、申し訳ないんだけどこの請求書、任せてもいいかしら?」

「はい、大丈夫です」

片岡さんは自分の担当の請求書を何人かに振り分けて頼んでいて、私にも数枚の伝票が渡された。
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