君と夢見るエクスプレス
1. 出会いはネタのように

いつも不思議に思ってるんだけど。



どうして高校生は、あんなにもテンションが高いんだろう。女子にしろ、男子にしろ。



今日だって月曜日の朝だというのに。
もっと寝ていたいと思ったり、学校に行きたくないと思ったり、憂鬱になったりしないのだろうか。



混み合う電車の中、あちこちから聴こえてくる話し声や笑い声。時折びっくりするほどのけたたましい笑い声が、車内に乱立する人たちの合間を飛び交う。



笑い声の上がった方へと目を向けると、車両の連結部のドア近くには男子高校生たち。大きな通学リュックを足元に置いた姿は、ペンギンが卵を温めるように見える。



ペンギンは無口で、あんなに大声を上げて笑ったりしないけど。



手にした本へと視線を戻そうとしたら、反対側からこそばゆい女子高生たちの笑い声。



ああ、今度はあの子たちか。



ドアのすぐ傍に陣取って、乗降する人に押されながらも微動だにしないマイペースな女子高生たち。制服を着崩して短いスカートのお尻ばかり気にしている。



そんなに気になるなら、スカートの丈を短くなんかしなきゃいいのに。とツッコミ入れたくなる。


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