アイツ限定
真実の愛







「あ、マリっ!あんた、なんでそんな汗だくなわけ?保健室で大人しく寝て……るわけないか……。」



教室に戻ると、明日香がものすごい勢いで飛びついてきた。



「ああ……ごめん。バスケしてた。」



そういって、あたしはタオルで無動作に短い髪をふく。

こういう時の短いこの髪はとても楽。

すぐに乾くし、邪魔にはならない。


村上はというと、2人で戻ったら先生とかなんか言うかもだって言って、もう1限サボるって言ってた。

だから、今頃は1人でシュートでも打ってるんじゃないかと思う。



目の前の明日香はというと、飽きれた顔であたしを見てくる。



「あんたさ……バカじゃないの?さっき、倒れたんだよ?それでバスケしてたって……。」



明日香はため息交じりでそう言って来る。



「ああ、あれはただの貧血だから。ちょうど今生理だし。それに、村上と1on1やってみたかったんだよ。T中のバスケを感じて見たかったんだよ。」



「……じゃあ、2人でバスケしてたってこと?村上君と!?」



明日香の声は、教室中に響き渡った。

女子がぎろっとあたしを見てくるのがわかる。


やっば…。

明日香何大声で言ってくれっちゃてるわけっ!?



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