センセイの好きなもの
それこそ大人と子どもみたいな見てくれかも知れないですよ。
でもせっかくいいこと言ってくれたのにな…こういうとこが巧先生なんだけど。


「私は嫌味なんて言ったつもりないわ。巧が彼女を庇うのは当然ね?付き合ってるんですものね?」


「そうだ。でも付き合っていようがいまいが、さっきのはいただけないんですよ、玉井先生」


巧先生はぐいっと玉井先生の前に立ちはだかる。さっきと同じ、火花が散りそうな張り詰めた感じになる。


「巧先生、私は気にしてません。玉井先生も忙しいでしょうから、引き止めては失礼です」


玉井先生はキッとキツイ目で私を見てくる。
睨みつけられているわけじゃないけど、怯みそうになる。


「巧、彼女のほうが大人のようね。それでは失礼します」


玉井先生が出ていくと巧先生は「コノヤロー!ツム、塩持って来い!」とブチ切れそうな表情でドアをガツンと蹴った。
このあと大先生にこってり叱られたのは言うまでもない…。
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