行きつけの赤提灯。
扉を開けると寛はいた。
いつものカウンターではない。
奥の二人がけの席でひとり、飲んでいる。


「寛、あんた飲みすぎじゃないの?」


私は真っ赤な顔の寛に駆け寄る。
寛はふふふと笑うだけだ。

カウンターの奥にいる店主のおじちゃんを見ると、私の聞きたいことがわかったのだろう。
寛が飲んでいる焼酎の空瓶を二本見せてくれた。
そんなに?


「急アルで死ぬよ?どうした?仕事の件?」


私は寛の向かいの席に座る。
これほど飲みたくなるなんて、何かマズイことでも起こったんだろうか。