恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「そのままでいてよ」


私はその隙に部屋の鍵を開ける。
ドアを開けると私の後ろに寛がいた。
それからいきなり私を抱き上げた。
お姫様抱っこってヤツだ。


「こら!寛!ふざけるな!」


私がどんなに怒っても、ポカポカ叩いても、大きな寛はびくともしない。

面白そうにギャハハと笑うだけだ。

寛は私のパンプスを玄関で取り去ると、放り投げた。
初めて来た私の部屋にかつて知ったる様子で入っていく。

そして、ベッドにどさっと私をおろした。
その勢いで、寛は床にひざまずき、ベッドの端に顔を埋めた。

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