LOVE・ホテルに行こう。
今日から恋人始めました
噂ってヤツは怖い。


昨日の事がもう会社中に流れている。


昨日、田村君と電車に乗ってた所を誰かに見られたようだ。


『木崎さんと付き合ってるんですか?』


『うん』


質問にあっさりと認めた田村君。


田村君の彼女。
私の事はそう、みんなに認知されてしまった。


彼女ではあるけど…。
2ヶ月間だけだから。
後は後腐れなく別れるから心配しないでって。


私を睨む女性社員に言いたいっ。


忘れてた。
田村君が人気がある事。


普段は柔らかな物腰で優しいし
認めたくないけど
顔もわりと…イケメンだし。


私だけが悪者?


田村君を睨む男性社員だってチラホラいる…訳ないか。


目を凝らすと遠くの席で女性社員に話しかけられ笑う田村君の顔が見える。


私が彼女にならなくても良かったんじゃない?
可愛い子なら周りにたくさん居るじゃない。


「愛しい田村君。私の田村君」


いつものようにゴロゴロと音をたて私の隣に来た智子。


「話、上手くいったんだね。良かった~」


私達を純粋な恋人同士って思ってる智子。


違うの。
本当はね…。


言いたいけど智子に言ったらややこしくなるだけだ。


言葉をグッと飲み込む。











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