LOVE・ホテルに行こう。
恋人の2人のその後
はじめましてから気をつけて帰って下さいね
までずっと緊張してた。


信平さんと綾子さんの結婚式の後、ホテルの喫茶ルームで圭吾のご両親に会う約束をしてた。


「嘘じゃ無かったのね。彼女が出来たって」


笑いながら話すお母さん。


「洋治叔父さんがしつこかったからデマカセ言ったと思ってたのに。電話しても詳しく美久さんの事教えてくれなくて話はぐらかすし。
まー、でも一安心。ねっ、お父さん」


「美久さん、圭吾の事、宜しくお願いしますね。至らぬ所はたくさんあると思いますけど」


優しく笑う顔は圭吾に似ている。
圭吾が似てるのか。


「そうだった、お父さん、カメラ、カメラ」


デジカメをお父さんから受け取り私達にカメラを向けるお母さん。


「証拠の写真を撮ってこいって、洋治叔父さんが。圭吾の彼女を見たいって」


従業員の人に頼んで4人の写真も撮ってもらった。


俺のマンションに泊まればいいのにって言った圭吾に


「お母さん、明日発表会があるの。忙しいのよ、お母さんも」


習っているフラダンスの発表会があるらしい。
フラダンスの手つきをして断っていた。


「美久さんにも今度、教えてあげるからね。
クビレが出るし痩せるのよ。3キロ、痩せちゃった、私」


そう言って可愛く笑うお母さんとお父さんをタクシー乗り場まで見送り手を振って別れた。


「疲れた?」


「うん。緊張したからかな」


ちょっと、座っていこうかって言った圭吾に付いていきロビーのソファーに座った。


「あれが俺の家族。後、姉貴が1人居るんだけど5歳上の。今、臨月で今日は来れなかったんだ。…美久が俺の親と話してるの不思議な感じだった。遠い存在だった美久が俺の隣に居て俺の親と話してるって」


「そんなことないよ。…これからは当たり前になるんだから」


「だねっ。証拠の写真も撮っちゃったし。
美久、もう逃げられないね」


優しく笑う圭吾に


「逃げる気ないし、今度は私の親に圭吾を会わせたい。圭吾が緊張する姿を見てみたいし」


「お父さんって怖い人?あー、なんか、俺、今から緊張してきた」


「覚悟してね、圭吾」


緊張から解放された私はホッとして圭吾と顔を見合わせて笑っていた。




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