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「遅いのにごめんね。来ちゃった」

葉山君と駅で別れた後、無性に陽希に会いたくなり、彼のマンションを訪れた。


「あれ?ハル、飲んでたの。めずらしい」

「う~ん」

覆いかぶさるように抱き締めて来る陽希から、微かにアルコールの匂いがした。


「あっ、このドラマ見てたの?」

リビングのテレビは陽希が出演中のドラマが映っていて、床には数本のビールの空缶が並んでいる。

陽希はどうやら、自分のドラマを肴に一杯やっていたらしい。

……このビール、この間私用に冷蔵庫に入れたヤツ。

普段、誘っても飲まないくせに。

私は空缶を避けて、ムートンラグの上に座った。

「佐竹さんに渡された宿題。自分の見るのってさ、ナルシストっぽくて嫌い」

陽希はウンザリした面持ちで隣りに寝転ぶ。

「そう?でも、このドラマ面白いよ。亜弥葉ちゃんもすっかり女優さんぽくなってるし。私も録画して必ず見てるよ」

「え~褒めるところ、そこ?」

少し酔っている所為か、口を尖らして拗ねる陽希の表情が、いつもより可愛らしい。

私はサラサラする陽希の髪をそっと撫でた。

「何て言って欲しいのよ」

「嫌な男に見えるとか、悪い男に見えるとか?」

「嫌な男って言うより、危険な男に見えたけど」

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アラサー  嫉妬  同窓会  年齢差  あまあま 

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