【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
すれ違い






【亜瑚side】


私は無事にプレゼントを買えた嬉しさでいっぱいのまま、家のドアを開けた。


「ただいま〜」


でも、いつもなら『おかえり』と返ってくる湊の声が聞こえてこない。


あれ? 靴もあるし、湊帰ってるはずなんだけど……。


わずかな違和感を覚えたままリビングに入ると、湊はソファに座っていた。


なんだ、いるじゃない。


「ただいま!」


湊の顔を覗き込むようにそう言うと、湊はこっちを見ずに呟いた。


「なにしてたんだよ」


いつもと違う、低く掠れた湊の声色。

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