殺戮都市
日本刀の先端に感じる小さな抵抗。


男の手と、その中にある端末を貫いて、そのままの勢いで胸に刀身を突き立てた。


これが……正しい選択だったのかは分からない。


ただ、仲間を呼ばれたくないという一心で取った行動だったから。


「ぐふっ!!……テメェは殺……す」


右手を失い、左手も貫かれている状態では、俺を睨み付けるのがやっとのようで。


恨みの言葉を吐いた男は、力なく床に頭を付けて……そのまま息絶えてしまったのだ。


「はぁ……はぁ……早く逃げないと……」


咄嗟に日本刀を突き立てたけど、殺してしまうなんて。


これじゃあ、生き返った男が仲間を連れて、俺を殺しにやって来てしまう。


早く逃げようと男の手を踏み付け、日本刀を引き抜いた時だった。


男の手の中で、貫いた端末が小さな音を立てて爆発したのだ。


今までとは違う……奇妙な終わり方。


男のさっきの言葉か考えると、ソウルがなかったというわけではなさそうなのに、しばらく待っていても光の粒に変わる様子がない。


そう言えば……一番最初に聞いたような気がするな。


端末を破壊されたら死んでしまうと。
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