殺戮都市
さっきもやられたのに、どうして俺はそれを考えてなかったんだ。


切っ先を回避しても、長い柄がそのまま防御に繋がるという事を。


焦りを見せる俺とは対照的に、顔色一つ変えずに俺を見ている葉山。


弾かれた日本刀を握り締め、何度も斬り付けるけど……それらのどの攻撃も直撃する事がない。


まるで大人と子供の遊びのように、良いようにあしらわれているだけ。


「くそっ!くそっ!何で、何で当たらないんだ!!」


圧倒的強者を前にして、俺の心は恐怖と絶望に染まって行った。


俺よりも強いやつと戦って勝って来た?


なんとかなる?


そう思った時点で、俺が油断していたのかもしれない。


「当たらないのは、お前が弱いからだよ。力もない、速くもない、それじゃあ俺には勝てないっての」


俺の攻撃を軽くあしらいながら、葉山が冷静に呟く。


「くそっ!くそっ!!」


半ばヤケクソ気味に、大きく日本刀を振り被ったその時。

















葉山は槍をクルリと回転させて、その切っ先を俺の胸に当てがったのだ。















「バイバイ、話は彼女に聞くよ」

















その言葉を聞いた次の瞬間、槍が俺の胸を貫いた。


身体中の力が抜けて……俺が最後に見たのは、腹部を押さえて床に這いつくばる恵梨香さんの姿だった。
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