殺戮都市
この街で火葬。


放っておけば怪物が喰って掃除をするよりも、ずっと人間らしい最後だ。


いつまでもその姿を残していて欲しいと思うけど……俺のわがままでそんな事は出来ない。


「まあ、火葬場なんてないから焼くだけなんだけどね。それでも、骨になるまで焼いてくれて、しっかりお墓を作ってくれる変わり者を知ってるんだ」


この街にそんな変わった人がいるのか。


だとしたら、せめて奈央さんを新崎さんと同じ墓に入れてあげたいな。


「だったら……お願いしても良いですか?後、もう一人の火葬もお願いしたいんですけど」


本来なら、俺が新崎さんの亡骸を運んで来なければならないのだろうけど、葉山に捕まっている恵梨香さんの事を思うとのんびりもしていられないから。


新崎さんの亡骸の場所を教え、奈央さんの亡骸をバーコードに預けた。


「また行くのかい?二人の事は任せなさい。真治君は、自分がやるべき事をやって来なさい」


「ありがとう。もしかすると、おっさんがこの街で一番良い人かもしれないね」


チラリと、目を閉じた奈央さんを見て、その姿を目に焼き付けて。


俺は、東軍に向かう為に中央部へと向かって歩き出した。
< 333 / 845 >

この作品をシェア

pagetop