殺戮都市
その頼みを葉山に聞いてもらい、俺と恵梨香さんはデパートを出て、二人がいるビルへと向かった。


「……葉山と話したんだがな、あいつに任せておけばあの二人は大丈夫だろう。女に興味がないのか、私に手を出そうともしなかったしな」


そうだったのか。


まあ、スカートが捲れ上がった恵梨香さんを見て、恥ずかしそうにしていたから、もしかするととは思っていたけど。


だとしたら安心だ。


「二人は……納得してくれるでしょうか」


俺の気掛かりはそれ。


いくら俺達がそう望んでも、二人が嫌だと言う可能性だってあるのだ。


「納得させるしかないだろう。人を守りながら戦えるほど、甘い戦いじゃないんだから」


恵梨香さんの言いたい事は良く分かる。


俺が東軍に来る時に出会った怪物。


あんなのに出会った時に亜美と優がいたら……そう考えると怖い。


俺や恵梨香さんが全力で戦っても勝てるかどうか分からない相手なのだから。


どうやって話を切り出そうかと考えるフリをしながら、俺は歩いた。


理沙を失ったという喪失感が大きくて、殆ど何も考えられない状態だったから。


そして、ビルに到着した。
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