殺戮都市
望まぬ再会
おっさんと男と話をして、俺が何をしなければならないか、改めて分かったような気がする。


それは、恵梨香さんに出会った時から何も変わっていない。


多くの仲間を集めて、街の中心にそびえるバベルの塔に向かう事。


俺が死んだ一月前なら、それが難しい事だとは思わなかったけど、今はどうだ?


バベルの塔に向かうどころか、外に出ることさえ難しい状況になっている。


早く北軍に行くには、街の中央部を通るのが一番早いのに。


こうして待っている間に、戦闘は終了した。


だけど、北軍の男はだからと言って帰る事が出来るわけでもなく、俺達と一緒にいるだけなんだけど。


「結局戻れないのかよ……いつになったらこの化け物は移動するんだよ……」


入り口の前の道路を塞がれていては、身動きが取れない。


敵陣の中で、味方もいないって事がどれだけ心細いか、怖いかと言うのは俺には痛いほど分かる。


「明美さんに見付かったら、問答無用で殺されそうな気がするな……裏口から出られないかな?」


こんな大きなビルなんだ、出入り口が正面玄関だけって事はないと思うけど。


「裏口か……そうだね、路地を上手く移動すれば、あの巨大な怪物は追って来れないだろうからね」
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