サヨナラと秘密を用意して。


もうここまできたらはっきり言わなくてはいけない。

「年が明けた1月の末かな?陸がごめん、ってメールしてきた時。
あー。奥さんとしちゃったんだと思った。
だから、話があるって言われた時、嫌な予感がしてた。
で、今会って話をしていて、そう思ったの」

「すごいな、あおは」

「女の勘ってヤツだよね、きっと。奥さんが産むつもりなら、
もうここにはこれないんじゃないの??」

「いや、来るよ。あおのそばにいたいんだ」

「でも、妊婦さんって情緒不安定って言うじゃない」

「もうすでにあおに会う前から情緒不安定だからね」笑

「いいのか、悪いのか、あおにはわからないけど陸の判断に任せるよ」


陸は言った通り、毎日変わらず来ていた。
朝方帰り、たぶん奥さんに怒られているのだろうけど、
陸の態度は全く変わらなかった。

でもあたしは...


< 54 / 96 >

この作品をシェア

pagetop