鎖恋-僕たちクズですー

結婚したかった・・・

~ mana ~

私にはかねてから憧れの上司がいた。

上司なんだけど・・とても親しみやすくってついつい職場以外でも甘えちゃう。

最初は仲の良い飲み友達みたいに週末の夜は居酒屋を転々と飲み歩いていたり・・

とっても心地よい関係。


児玉 英二 当時 私が24歳で彼は35歳。

ちょっと年の差はきになっていたけど・・英二の明るさと大人の余裕に私は本当にすっかりのめり込んでいったっていうか・・ただただ・・毎日が楽しくってたまらなかった。

彼が転勤するまでは・・あくまでも、上司と部下の関係

上司っていうより・・気兼ねなくなんでも言える先輩。

でも・・英二の転勤が決まると、私たちは急に火が付いたっていうか・・

友達から恋人へ

男女として、互いを求める関係に・・すごくごく自然ななりゆきだと私は勝手に解釈していたんだけど・・

転勤が決まって

もっぱら寂しがっていたのは英二さんだった。

「真奈と離れたくない」そんな嬉しい台詞でいつも抱きしめてくれた。

「私も・・」いつも心の中ではそう叫んでいた。

このまま遠距離恋愛なんて嫌だったけど

今は彼が好きで。たまらなく恋してしまって・・

でも、時は止ってはくれない・・・。

それから英二は千葉から金沢へ。

楽しみだった週末の居酒屋めぐりも今はメールでのやり取りへと変わり

「次、いつ会える?」

「うん・・まだわからないなー」

時間が経てば経つほど、どんどん距離は離れていくものなのかな・・

そんな会話になるのも時間の問題だった。


会えない現実は妙に互いを冷静にさせるもの

最初は「寂しい・・・」って気持ちから

徐々に現実へと

私はなんとなく毎日を送りながら

英二のことを考える時間も少なくなっていった。

「このまま終わっちゃう?」モヤモヤしていた。

英二からのメールに最近全然ときめかない私。

でもそんな矢先の出来事だった・・・。
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