恋の神様はどこにいる？

鬱蒼とした森が見えてくると、その中央に鳥居が姿を現す。そこをくぐり抜け石段を上がると、拝殿まで続く参道が通じている。

参道脇にある手水舎で身を清めると、参道を挟んで反対側にある神池へと足を運んだ。

ただ参拝に来るだけの時は、立派に育っている鯉に餌をあげて遊んだりするんだけれど。

今日はそんな気分にはなれなくて。

すぐにその場を離れると、参道に戻り拝殿に向かう。

参道や境内の中央は神様の通り道。だから邪魔にならないよう、端に寄って歩くのがマナー。

私は参道の右側に寄り歩き出す。社務所を通り越すと、立派な社殿が堂々たる姿を表した。

一度足を止め深く深呼吸をする。そうして精神を統一させると、神殿の前に立った。

神社での正式な参拝の仕方は『二礼二拍一礼』と言って、二回おじぎをした後二回柏手を打って、最後にもう一回おじきをするというのが神様への正しい挨拶の仕方だそう。

以前ここに来た時に神主さんに教えてもらい、今でもそれを忠実に守っている。

ここ“華咲神社”は縁結びの神社として有名で、普段なら良縁や恋愛成就を願う参拝者で賑わっているけれど、今は夕方ということもあってか私以外に人はほとんどいない。