恋の神様はどこにいる?
☆簡単な朝食と召使い?

「小町、起きろ」

私を呼ぶ声に目を開けるとそこには、いつの間に起きたのか神主の装束を身につけた志貴が立っていた。でもまだ頭の中が覚醒していない私は、ボーッと志貴の顔を見つめていて。

「もう少し寝かせてやりたいんだけどな。俺今日は休みなんだけど、八時までにはここに戻りたいんだ。悪いけど、そろそろ起きてくれないか?」

「あっ、えっと、ごめんなさい。はい、すぐ起きます」

「まあ、そこまで急がなくてもいいけど。それにしてもよく寝てたな。俺の腕ん中は、そんなに気持ち良かったか?」

そう言ってニヤリする顔は、確信犯的な笑顔で。

「わざとやったでしょ?」

「何の話だよ。簡単だけど朝飯作ったから、早く来い」

私の質問にはとぼけて、さっさと部屋を出て行ってしまった。

あの時の志貴はまだかなり眠そうだったし、寝ぼけてやっていることかもなんて思っていたけど違ってたみたい。

「私の反応を見て、ひとり楽しんでだとか?」

あの志貴ならやりかねない。

なのに私ったら志貴の寝顔にほだされて、ぐっすり眠り込んでしまうなんて。

でも正直な話、志貴の腕の中は居心地が良くて……って、コラ!! 小町!!

ちょっと人恋しくなっているからって、誰でもいいの? 志貴とはまだ知り合ったばかりでしょ?


 
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