恋の神様はどこにいる?

「ところで君の願いごとのことなんだけど」

「は、はい……」

そうだった。『面白いお願いだね』ってことは、私の願いが聞こえていたってことだよね? もしかして、エッチの願いも聞かれてたりして?

小町、なんという不覚。

こんな素敵な男性にそんなことまで聞かれていたとしたら……。

うぅ、恥ずかしい。穴があったら入りたい気分。

ねえ神様! 素敵な男性と巡り合うチャンスをくださいとお願いはしたけれど、このタイミングはないんじゃないですか?

ため息をつき小さく肩を落とすと、彼が顔を覗きこんできた。

「どうしたの? あ、もしかして、願いを全部聞かれて恥ずかしがっているとか?」

ああ、やっぱり……。

もうこうなったらしょうがない。今更『なんですか、それ?』って言ったところで、どうなるわけでもないし。

「聞いてたんですね?」

「うん。まあ正確に言うと“聞こえた”かな? でも人生いろいろあるわけだし、悩み事があるなら、僕に話してみない?」

彼が優しく微笑み私の頭をひと撫ですると、私はまるで魔法にでも掛かったかのようにことのすべてを話してしまっていた。



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