鬼部長の優しい手


「やっぱり、本当なのね!?


どうして、部長と…?
どういう経緯で!?」



「えっと、
話すと少し長くなるんだけどて」


黛実の言葉に少し、焦る私。





……あんな話、
どう説明しろっていうの……




“ご飯に行って、そのまま流れで
部長の家に行った”?

“部長はお酒が入ると甘え上戸に
なるんだよ”とか?



……言えるわけない!!!



「意外どころか、想像もしてなかったわよ。
あんたが部長とご飯に行くなんて。

涼穂の苦手そうなタイプじゃない?
ああいう厳しい人って。」



「うーん、そのはずだったんだけどね」



周りの人にバレないよう、小声で会話する黛実と私。



そうなんだよね……
部長っていっつも怒ってるイメージが
あったから、
そういう人は、苦手なタイプだったはずなのになぁ…





そんなことをしみじみと考えているとき
頭の上に、大きく暖かいものが置かれた。






< 42 / 188 >

この作品をシェア

pagetop