彼氏人形(ホラー)
アルバイトの終了時間は夜8時。


あたしはレジを打ちながらチラチラと外を確認した。


空は暗くなり、外灯が付き始める。


蒼太はもう家に帰っているよね?


家族に見つからないように、そっと部屋に戻れただろうか?


もし見つかっていたら歩い程度怒られることは覚悟しておかなくちゃいけない。


親に無断で何万円もする人形を買ったなんてバレると、最悪返品させられる可能性もある。


そんなことを考えながらレジを打っていたから、何度もお釣りをレジの下へと落としてしまった。


「申し訳ございません」


慌ててかがんでお釣りを手渡すと、お酒の入ったお客が臭い息と一緒に暴言をはいて店を出て行った。


「陽子、大丈夫?」


実紗が心配して、隣のレジから移動してくる。
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