実紗と葵君を2人で帰らせるのは不安だったけれど、あたしは自分の帰路を歩いていた。


歩きながら、葵君に突き飛ばされた時の感覚を思い出す。


押された胸の上あたりが微かに痛んで、葵君は力加減ができていないのだと感じた。


そういう大切なところまで、あたしたちが教えていかなきゃいけないんだろうか?


人形がどれだけ力が出せるかなんて、見当もつかない。


でも、ちゃんと教えてあげなければ本当にケガをしてしまうだろう。


あたしは重たい気持ちのまま家へと戻って来た。


音をたてないようにそっと玄関を開けて中へ入る。


家の中は真っ暗で、電気をつけないように携帯の明かりだけで2階へと上がる。


両親は一階の寝室でグッスリ眠ってくれているようで、あたしが外へ出たことはバレていないようだ。


そっと部屋のドアを開けると、ようやく緊張感から解放されて息をはきだした。


そして部屋の電気を付けた瞬間。


「キャッ!?」


思わず悲鳴をあげて、すぐに口を両手で覆った。


明かりをつけた瞬間、蒼太が目の前に立っていたのだ。

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