うちの会社の始業時刻は8時30分。

 だが、私はいつも8時に会社に着く。

 自分のデスクのPCを立ち上げ、給湯室のポットの準備、部長のデスク周辺の掃除、メールチェックを始業時刻までに済ませる。

 それが、私、東雲芽依の日課だった。

 部長から呼ばれるまでは。

「東雲くん、辞令が出てね、今日から海外事業部に異動になったよ」

「は?」

 思わず間抜けな声が出た。

 部長が何を言ってるのかわからなかった。

 いつものように軽く聞き流す。

 本気で部長の相手をしてはいけない。

 仕事は待ってはくれないのだ。

「君、毎年受けてるTOEIC満点だったでしょう。上がずっと目をつけてて、今回は海外事業部の一条部長のアシスタントが急に辞めちゃったから、君に白羽の矢がたったわけ」


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