幸せの花が咲く町で




「じゃ、行ってくるね!」

「あ、お弁当忘れないで。」

「あ…いつもサンキュー!」



(さて、と……)


小太郎と姉が出て行ってから、僕の仕事が本格的に始まる。
ここに来た当時は、ひとりっきりになるととても心細い想いがしたものだけど、最近はそういうことはなくなった。

すでに洗い上がってる洗濯ものを二階のベランダまで運ぶ。
小さなTシャツを干していると、ついさっきあいつの言った「洗濯日和」という言葉が思い出されて、僕の頬はふと緩んだ。
本当にその通りだ。
雲一つない青い空には、眩い太陽が浮かんでる。



洗濯物を干し終えたら、次は部屋の掃除だ。
大雑把な姉のおかげで、家の中はけっこう散らかる。
それに、「あんたがきれいにしてくれてるから、とても気持ち良い。」なんて言われるから、僕もつい頑張ってしまうんだ。
僕の部屋、そして……



(あ~あ……)



一番大変なのが、姉達の部屋だ。
布団の上げ下ろしが面倒なら、ベッドにすれば?って何度も言ったけど、姉は布団が一番だって言い張って、そのくせ、布団を上げたことがないんだ。
まぁ、姉は仕事だけは一生懸命やってるから、その他のことには気が回らないのかもしれない。
僕は布団を抱え、それをベランダに運んだ。



(やっぱり、棚を買わなきゃダメだな。)



枕元には、資料や雑誌、アクセサリーや服が散らかっていた。
姉は部屋が狭くなるから家具はいらないなんて言って、適当に箱に入れてそこらに置いてるけど、それで却って散らかって、部屋が狭くなっている。
これからは、小太郎の荷物だって増えて行くんだ。
このままで良いはずがない。
掃除が済んだら、近くのホームセンターに行こうと決めた。



そして、下に降りてリビングを掃除して、その次に向かうのが両親の部屋だった。
< 3 / 308 >

この作品をシェア

pagetop