† of Thousand~千の定義

独節

† 独節



草薙仁は――

すなわち私は……

ジジ……

茫漠とした白い空間を――

ジジ――

意識だけで浮遊していた。

落ちている感覚もあれば、ジジ、舞い上がっている感覚もあり、ジジ、転がっていると思えばそうで、ジ、寝そべっていると思えば、ジジジ、寝そべっているのだろうジジ。

足は地についているのか、ジ、右は左はジジジ、どれだけ先があるのか。あるいは完全な――ジジジ、密着空間に放り込まれているのか、ジジ、ジ、これは白色をしているだけのジジジ、闇ではないだろうか。

様々な憶測と仮定が私の中を飛び交い、あるいは、これが死なのか――

「いや、裁決の時だ」

と思ったところへ、清々しい男の声が、した。

続いて、白ばかりでしかない視界に、ポツリとなにかが揺れ浮かぶ。ジジ。

赤い、紅い、ジジ、ジ。輪郭の曖昧な、球体。ジジ。火の玉が、ジジジ、酸素を焦がしながら、浮かんでいた。
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