飛行機の窓から、真っ青な海が見える。空と海が、おんなじ色。


「孝志、みてみて、キレイ!」
光恵はうれしくなって、思わず大きな声をあげた。


「ほんとだ。すごい」
振り向くと、孝志が光恵の肩越しに窓を覗き込んでいる。


「ミツ、沖縄初めて?」
「うん。孝志は?」
「映画祭で本島には行ったことあるけど、石垣ははじめて」
「楽しみだねー」
「うん」


真夏。
舞台が無事に千秋楽を迎えた後、単発のドラマを一本撮って、孝志は五日間のお休みをもらった。


二人で行く、初めての旅行。


孝志は「海外がいい」と言ったのだけれど、光恵は「そんなにお金出せない」と言って、石垣旅行になった。


でも……。
光恵は周りを見回す。


人生初めてのファーストクラス。
この旅行、一人十万円じゃ、足らないよね……。


「何? ミツ」
孝志が光恵に笑顔をむける。


「ううん、なんでもない」


深くこだわらないようにしよう!
だって、二人の初めての旅行なんだから。