叙情

お世話になりました。

翌日には


「ちょっと出てくる」


そう言って、出かけたと思ったら



「家決まったぞ。
明日から入れるみてぇだから
明日、引越しな。
って言っても
たいした荷物ねぇから
移動するようなもんか」



すべての物事が
あれよあれよと進み


総一の言うように
手荷物をまとめ
車に乗せると
そのまま20分ほど走り
一軒の家の前に停まった。


そして、家に隣接する車庫へ車を入れると


「これが家の鍵な。
失くすなよ」


そう手渡され
うれしさに浸る余韻もなく
車の荷物を持ち
スタスタと家の中へ入っていく総一を急いで追いかけた。


玄関を開け総一の後を歩いていくと

廊下の真ん中で止まり


「ここが真弓の部屋な」


そう言いながらドアを開けた。
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