意気地なしの初恋

急展開な恋心

そうして、入ってきたのは
あの日、私が救急車で運ばれたあの日に、バスケットボールを当てた。


   渡部翔だった。
「渡部君…どうしたの?」
「あっ。いや。そのさ、ボール当てちまって悪るいと思ってさ」
「あっ。その事なら全然大丈夫!平気だよ」
「絶対、平気じゃないよな」
病室のテーブルの上には痛み止め、塗り薬。私の頭には、腫れているところを、保護するガーゼが貼ってあった。
「あははは。バレた?」
「ほんとっ!ごめんっ!」
「いいよ。私の不注意でもあるし。1日に2回もボールに当たるとは思わなかったけどね」
「あのさ、毎日来てもいいか?」
「え?」
「ほんと俺のせいだし」
「でもー。部活とかで忙しいでしょ?」
「終わってから来るよ。」
「無理しないでくれたら、来てもいいよ。」
「じゃあ毎日来るわ」
「うん」
「明日な」
「うん明日」
2日目はこんな感じで終わった。
驚きの反面喜びもあった。
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