Innocent Smile~ずっと一緒に~

「なっ! 何てこと言うの! 優子ちゃん。」

「え? 佐那子……そうなの?」


隣で聖二も目を丸くしてくるし、恭哉は睨みつけてくるし。


「ちがっ、違うよ! 言ってないよ、そんなこと!」

「えー! 言ってたじゃないですかぁー?
前に社食で一緒にお昼食べたときに。」


必死で否定してるのに、優子ちゃんは逃げ道を塞ぐように追い討ちをかける。

私はそのときの自分の記憶を、必死でたぐり寄せた。


「あれは、どんな人がタイプか? って聞かれたから……
『包容力があって、仕事のデキる大人な人』って言っただけで。
別にそれが聖二だとは言ってないって!」


そうなんですかぁ? なんて言ってる優子ちゃんを見ながら、
隣で肩を震わせてケラケラと聖二が笑ってる。


わざと聖二が恭哉のほうに目をやりながら、
「佐那子は大人の男がいいんだもんな!」なんて言うもんだから、恭哉が余計に仏頂面になってるじゃないの。


もう知らない。

みんな私の言うことなんて、半分くらいしか聞いてないみたいに、
自分勝手な方向で話をするんだもん。


いい加減、ついていけないよ……



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