眠れなかった・・・。

ベッドで何度も寝返りを売ったせいでぐっしゃぐしゃになった髪をふりふり、私は起きだした。

どんなことがあっても地球は廻り、朝はやってくる。

ああ、朝日が眩しい・・・。朝日ってこんなに眩しかったっけ・・・?

チュンチュンと平和そうな雀の声を聞きながら、その変わりのなさを少し恨めしくも思った。

なんでこんなことになったんでしょう?

そしていったいどんな顔して今日から会社に行けばいいんでしょう?

誰も何も答えてくれない。雀だけが相変わらずチュンチュンと平和そうだ。

・・・考えてても仕方ない。

会社にいかなくちゃ。仕事は山積みなのだ。

あれもやらなくちゃいけないし、これもやらなくちゃいけない。

仕事のことを考えるとやっと頭は回り出した。

そうだ、なかったことにしよう。昨日のことなんて全部夢、素知らぬふりをしてればいいんだ!

「ルルルルルッ」

電話が鳴る。

相手は惣谷康介。

すいませんでしたああああ、あなたの存在を忘れて知らないふりなんて、そんなおこがましいことできるわけありませんでしたあああああああああ。

「は、はい・・・」

「おはよう」

電話越しに聞こえるちょっと眠そうな彼の声、ざらついたその声はお腹のあたりの神経をぞくぞくと震わせる。

「お、おはようございますっ」

「昨日あれから連絡なかったから、ちょっと心配になってね」

「あ、ご、ごめんなさい!そんなこと全然考えてなかった!」

「だろうと思ったよ」

「すいませぇん・・・」

「いいんだ。悪い、俺も焦りすぎたんだ・・・」

「え?」

「いや、いい。会社では別に普段通りにしてくれていいからな。周りに付き合ってるのがバレるといろいろやっかいだから」

「は、はい」

「じゃあ、後でな」

チュ、ツー、ツー、ツー・・・

え?今の何?

チュ?

ぎゃああああああああああ、電話越しにキスされたああああああああああ。

朝から悶絶死しそうです。

私の命はどこまでもってくれるでしょうか・・・。

寿命は確実に減ってる気がします。

人は幸せに近づくと、死に近づくようになっているようです。

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地味OL  オフィスラブ  イケメン  俺様  無愛想 

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