青い空の彼方まで鐘の音は響く。

どこまでも澄み渡るその碧空には雲さえない。

どこまでも夢のようだった。

私はその何もない空を見上げるのをやめ、視線を戻して静かに横を向いた。

そこには確かな現実があった。

夢の様な現実。

恋い焦がれて最初からあきらて、あの頃は空ばかり見つめていた。届かないと嘆いていたのに今はこの手の中にある。

「どうしたんだい?」

優しい微笑み、あたたかな眼差し。私だけに向けられる、特別な愛情。

「夢じゃないかって・・・」

「夢なんかじゃないさ。君は自分の手で掴んだじゃないか」

惣谷康介は私の真っ白なウェディンググローブに包まれた手を取った。

「私が?違う、私は何もしていない。康介さんがこの手を取ってくれたのよ。私は本当に何も・・・」

「いいや、この手を取ってくれたのは君の方だ。あの頃の俺は暗闇にいた。どこにも行けないと思っていた。あのまま閉じ込められて出られないと思っていた。でも君は俺を見つけて照らしてくれた、あの太陽のように」

「太陽・・・?」

「君は光だった。君がいなければ俺は一生暗闇の中だった。愛してるよ、心から」

果てしのない空から降り注ぐ陽光は世界の全てを照らしてキラキラと輝かせる。

紛れも無いこの現実に私は身を委ねる。

そう、私はあの光になれたのね。

なら永久まであなたと共に。

キラキラといつまでも・・・。

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地味OL  オフィスラブ  イケメン  俺様  無愛想 

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