【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
笑顔*.゜




「よーっ!海行こうぜ海!」

「……はい?」


──8月下旬。


夏休みも残すところあと一週間ほどとなった今日、朝からチャイムが鳴って誰だと思いながら出たら、そこに立っていたのは昴だった。


こんなクソ暑いってのに、相変わらず元気で。


なんとも爽やかな笑顔でそんなことを言い出した。


「いきなり人ん家押しかけて何言ってんのお前」

「え?だから海行こうって」

「なんで」

「夏だから!」


なんだそりゃ。理由になってねーよ。


「……行かない」

「え、ちょ、ま、何で!」


そのままドアを閉めようとした俺を、慌てて引き止める昴。


足先をこちらに入れてきて、閉めさせまいと必死だ。



< 148 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop