【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
日常*.゜
一番最初は、眩しい、と思った。
段々とぼやけてた視界がクリアになってきて、映ったのは真っ白な天井と──沢森の、泣き顔。
「え……」
「木村君……!」
なに、なんで泣いてんの、とか。
ここどこ、とか。
聴きたいことは沢山あったのに、沢森はそのまますぐどこかに行ってしまって。
見下ろした自分の腕から伸びた点滴の管に、段々と状況を思い出してきた。
そうだ俺、子供を庇って自分も落ちたんだ。
じゃあここは、病院か。……それにしてもなんで沢森までここにいるんだ。
そんな事を考えていると、バタバタと慌ただしい足音がして、数人の医者が中に入ってきた。
「木村君、お医者様連れてきたよ」
「なあ、子供は?」
いてもたっても居られなくてそう言うと、沢森がきょとんとした。
……あ、子供の事なんか沢森に言ってもわかんねーか。
と、思ったのだけど。
「あ、木村君が庇った男の子なら無事だよ」