『俺は、あなたの秘書なんですから』



彼が、真面目な顔で言った言葉。

その一言は決して間違っていない。彼は秘書。私の秘書。だからいつだって隣に居て、笑顔を向けてくれるんだ。



だけど、しっかりと引かれたその線に嬉しい気持ちは出てこない。

心をぐっと、締め付けるだけ。






「この前はパーティ、お疲れさま」



彼、松嶋さんの一言にお互いのグラスをコン、と合わせた。グラスの中のボルドーの色をしたワインが、動きに合わせてゆらりと揺れる。

とある平日の夜の仕事後、私の姿は松嶋さんとともに都内のフレンチレストランの一席にあった。



あのパーティの夜、別れ際に交わした会話の通り連絡をくれた彼。ようやく予定が合い、こうして二人また食事へとやってきたわけだ。



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秘書  社長  オトナ女子  イケメン  不器用 

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