Candy House

Candy８●幽霊さん、いらっしゃ～い

花屋さんにやってきた珍客

６月も終わりに近づいた梅雨明けの頃だった。

あたしと上野さんと安部さんの３人は、麻子さんが家族で働いていると言う花屋『たんぽぽ』の前にきていた。

ただ単に花を買いにきたのではない。

「おい、いたか？」

上野さんがコソッと、安部さんに耳打ちをするように聞いた。

「うーん、俺が知らない顔のヤツはいないなあ」

安部さんは困ったと言うように言った。

「麻子さんのところへきた人って、一体誰なんでしょうね？」

あたしはやれやれと言うように息を吐いた。


昨日、あたしたちは店にきた星ボンさんから麻子さんのところに男の人がきたと言うことを聞いた。